施工事例CASE

  • 自宅
建築士の宮下潤也氏がご自身で設計されたご自宅を、みすゞ建設が施工しました。宮下氏がこだわったのは、ヨーロッパの迷路のような旧市街地や教会の神聖な雰囲気を再現すること。空間に変化を生むスキップフロアの採用や、スペインの伝統的な中庭形式の「パティオ」を取り囲むようにリビングや書斎を配置したレイアウトなど、その設計には徹底したこだわりが見られました。またお仕事柄、蔵書が多く、5,000冊の書籍の重みに耐えられる壁や床の設計・構造にも特徴がありました。建築士の強いこだわりを何とか実現させるために、みすゞ建設は宮下氏と細かな打ち合わせを行いながら工事を進めていきました。お客さまの思い入れを再現する工事は、時に難しい局面を迎えることもあります。しかし、いただいたご要望を真摯に受け止め、知恵を絞り、実現に向けて可能な限りの対応を行うこと。それも、みすゞ建設の家づくりへの信念です。
当現場は四国化成空間デザインコンテスト2023 一般住宅内装部門にてゴールドを受賞されました。
ヨーロッパの雰囲気を再現したい 設計士のこだわりに応える対応力

ヨーロッパの雰囲気を再現したい 設計士のこだわりに応える対応力

建築士 宮下潤也様にお話しをお伺いしました。

Q 設計コンセプト建物の特徴についてお聞かせください。

この家は「旅」「読書」「生活」をテーマに、日常のなかに非日常性を取り入れ、居ながらにして旅の気分に浸ることを目指しています。私たち夫婦は旅行が趣味で、特にヨーロッパの迷路のような旧市街地や、教会のもつ神聖な雰囲気といった西洋建築の要素に強く惹かれていました。そこから、スペインのアンダルシア地方で伝統的な中庭形式である「パティオ」を中心に据え、それを囲むようにリビングや書斎を配置したレイアウトに至りました。また約5千冊の本を収納するために大容量の本棚を設ける必要があり、吹抜けを利用したクラシカルな本棚を配置しました。迷宮性を高めるためにスキップフロアを採用し、床レベルの差によって空間に変化を生み出すと同時に、視覚的な広がりを創出しています。外観は屋根・外壁ともガルバリウム鋼板の一文字葺きで覆った単純な家型とし、出窓や靴箱に相当する部分にカラーを変えた小さな家型をあて込むことで、シンプルながらもアイコニックで可愛らしいシルエットとなりました。

Q 課題点などはございましたか

吹き抜けの本棚を設けるにあたり、書籍を並べた場合に相当の鉛直荷重がかかることが想定されました。2階分の本棚が受ける本の重みで、通常の方法では床が抜けてしまう危険性がありました。

Q どのように実現されましたか

鉛直荷重を支持するために本棚の側板を構造壁とし、基礎に直接荷重を伝達することで床への負担を軽減、構造的に安定した本棚をつくることができました。また構造壁の木口部分にモールディングを施し、入念にライティングを検討することによって、古い図書館の書架がもつ重厚な雰囲気を演出することができました。

Q 施工会社 みすゞ建設の感想をお聞かせください。

みすゞ建設さんは当初から私の実現したいことに対して真摯に取り組んでいただき、時には知恵を絞りあって、誠実に納めていただきました。主張が分かれた時にもじっくり対話に応じていただき、結果として質の高い建築を実現することができました。大変感謝しております。 


 

 

 

 

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